安倍晋三前総理の後援会が主催した桜を見る会前夜祭を巡る安倍総理の118回を数える国会での『虚偽答弁』、その内閣で官房長官時代に総理答弁を『鵜呑みに』した答弁を繰り返し、自らも虚偽答弁してきた菅義偉総理は18日召集の通常国会施政方針演説で「先の国会における『桜を見る会』前夜の夕食会に関する私の答弁の中に、事実と異なるものがあったことについて、大変申し訳なく、改めてお詫び申し上げます」と公式に陳謝した。
菅総理は「1人ひとりが力を最大限発揮し、互いに支え、助け合える『安心』と『希望』に満ちた社会を実現する」と述べ「こうした社会を実現するためには、国民の信託を受け、国政を預かる立場にある政治家にとって、何よりも国民の皆様の信頼が不可欠であります」と国民の政府・政治家への信頼が不可欠だと演説した。
桜を見る会前夜祭を巡る安倍前総理の虚偽答弁について、安倍前総理は公設第一秘書と東京事務所の秘書の報告により生じたもので、自らは「前夜祭費用は前夜祭への参加者らが支払った会費(1人5000円)で賄えていたと認識し、安倍事務所からの収支は一切なかった」と国会で答弁を繰り返して来たことを主張した。
しかし実際には前夜祭費用は会費だけでは賄えず、安倍前総理が代表を務める「晋和会」が補填し、ホテルに支払っていたほか、ホテルからの領収書も発行されていた。虚偽答弁が明らかになった後の国会での説明で、安倍前総理は「補填の原資は『私の預金』だ」と語った。そして「補填は秘書が行ったもので、自身は知らなかった」旨を主張した。
安倍晋三後援会代表で会計責任者だった配川博之公設第一秘書は政治資金規正法違反(不記載)の罪で東京地検特捜部に略式起訴され、秘書を辞職。東京事務所の秘書も辞職した。安倍前総理は嫌疑不十分で不起訴処分になったが、市民グループが不起訴不当として検察審査会に申し立てし、受理されている。
安倍前総理は前夜祭を巡るホテル側の明細書や領収書の国会への提出で自らへの疑惑を証明すべきだが、資料提出を拒否し続けている。日本共産党の機関紙「赤旗」は17日の日曜版で「補填した領収書の宛先が『晋和会』なら、有権者“買収”の直接の責任が安倍氏にあることが明らかになる」また、「明細書には会場費や飲食費などの費用の細目が書かれている。補填したのは会場費という安倍氏の弁明が崩れる可能性もある」と安倍氏にとって不都合な情報になるため拒否しているのではと推論している。この指摘があたらないというのであれば、安倍前総理は領収書と明細書を示し、国民に自らの主張が正しいことを立証することが求められよう。(編集担当:森高龍二)