衆議院は9日の本会議でNHK経営委員長の森下俊三氏の経営委員再任を賛成多数で可決した。立憲・共産・国民は経営委員にふさわしくないとして再任に反対。しかし、10日の参議院でも与党多数により承認の見通しだ。
武田良太総務大臣は9日、記者団から「森下氏は委員としての資格や資質に欠けているとの指摘もあるが、こうした人物の再任を政府が推す理由は」と質され「 いろいろな功績も残された方だと承知している」と評したうえで「経営委員会の中で適切に判断されるものと考えております」と具体的答弁をしなかった。
森下委員長の現在の任期は2月末までだが、再任を巡っては2018年かんぽ生命不正販売を取り上げたNHK番組に日本郵政からの抗議を受け、これに同調し、委員でありながら当時のNHK上田良一会長への「厳重注意」を主導した番組内容への介入疑義がもたれていること。
また「厳重注意」の際の議事録についてもNHK情報公開・個人情報保護審議委員会から全面開示答申が出されたのに、これに応じていないことから、公共放送の経営委員会委員としてふさわしくないとして、再任しないよう求める署名活動が全国各地で行われている。(編集担当:森高龍二)