1月7日、2度目の新型コロナに関する緊急事態宣言が首都圏に発令された。さらに当初2月7日までとされた宣言は3月7日まで延長となった。今回の宣言は昨年4月の全般的自粛と異なり飲食業への時短要請など限定的なものとなっている。自粛ムードの中、長期的に客足が落ち込んで深刻な経営状態にある飲食店にとっては厳しいものとなった。飲食店の中でもテイクアウトで売上を維持しようとしている店舗、政府の支援策で何とか凌げる店舗など業態によってその深刻さも様々だが、店舗それぞれ様々な工夫をすることで急場を凌いでいる。
資金調達支援事業等を行うSoLaboが中小企業および個人の経営する飲食店を対象に「第2回経営状況アンケート調査」を実施、2月5日にその結果レポートを公表している。
レポートによれば、政府による支援策への満足度を聞いたところ、「満足」と回答したのは16.3%のみで、「不満」との回答は37.2%、半数近い46.5%が「どちらとも言えない」と回答しており、政府の支援策は飲食店にとって決して満足のいくものではないようだ。自由回答を見ると、「事業者の売り上げ規模や実態に則した支援がなされておらず不平等感が強い」、「今後売上げが戻せるのか不安」など現況のみでなく今後への不安を挙げている者も少なくない。
将来の売上げに対する「不安」が顕著に示されているが、自粛ムードで客足が遠のく状況で「対策」が見えてこないのが不安の背景のようだ。多くの事業者にとって収束後も「売上げ回復策」がない現状と言える。
現在、業態変更に対しての補助金の開始がアナウンスされているものの、レポートによれば多くの飲食業者は業態変更が実際に可能とは考えていないようだ。こうした状況の中で、関心が高まっている対策の一つが「シェアリングスペース」のようだ。異業態の店舗の空き時間を上手く配分し一つの店舗を時間的にシェアする方法だ。店舗など空間のシェアリングだけでなく人材やスキルをシェアすることも考えられる。
「シェアリングスペースに興味があるか」という質問に対しては、「興味がある」と答えた者の割合は39.5%と4割近くに達した。一方で「知らない」と答えた者も25.6%おり、未だ認知度は十分ではないようだ。廃業する店舗も多い中、業態変更やシェアリングによって飲食業界の姿も大きく変わりつつあるようだ。(編集担当:久保田雄城)