3年前、厚労省から年金データ入力を受託した都内の会社が契約に反し中国の会社に500万件を再委託し、受給者の氏名、生年月日、個人番号(マイナンバー)、配偶者氏名、や配偶者年間所得見積額までネット上に流出した可能性があると17日の衆院予算委員会で流出経路などの徹底調査が求められた。
立憲民主党の長妻昭議員が取り上げた。長妻氏は「過去に国会で大騒ぎになった際には氏名とフリガナの入力を委託しただけということで終わったが、この時には日本年金機構の法令等違反通報窓口へ『マイナンバーが流出している。(最近、中国のデータ入力業界では大騒ぎになっております)』と寄せられたメール(2017年12月31日送信)は一切公表されなかった」と指摘した。
そのうえで長妻氏は「(流出している)受給者や配偶者の氏名、生年月日、個人番号(マイナンバー)などは実在する人物の本物のデータだったのか。このデータはどこから流出したのか」を質した。
日本年金機構の水島藤一郎理事長は「この情報が流出したというか、(流出しているとの情報をメールで)私どもに提供されたのは事実です」と答え「情報として流通しているのかどうか、(情報が)盗まれたのかどうか、わからない。しかし、(流出している)情報の内容は正しい」と実在する人物に対する本物の情報であることを認めた。
一方で「通報メールを受けてから専門的、技術的観点から調査したが、我々の調査では(年金機構から)情報は流出していない」とした。
長妻氏は「厚労省部会の中間報告書では中国事業者への情報漏洩について『氏名とフリガナのみが開示されたとされているが、実際にはその他の情報が開示されていた可能性がある』とされている」とし「このメールの話とリンクしていたとすれば500万件が流出しているわけだから、仮に、そうしたことがあるとすれば大変なことだから、徹底調査を」と求めた。(編集担当:森高龍二)