ホンダは2021年4月に発表発売を予定しているコンパクトSUVの新型「VEZEL(ヴェゼル)」第2世代モデルをオンラインで世界初公開した。
実施したワールドプレミアイベントでは、フルモデルチェンジにあたって全面刷新したエクステリア・インテリアのデザインを披露したほか、新たに搭載する主要装備や、進化した安全運転支援システム・コネクテッド機能などを発表した。
ホンダによれば、コンパクトSUVは世界のメーカーがラインナップしており、グローバルでも激戦区のセグメントだとして、特段ライバルと設定したクルマは無いという。ホンダ車でも北米では、CR-Vなどもう少し大きいミッドクラスが人気だが、日本や欧州ではヴェゼルも属するBセグメントからCセグメントの中間くらいの車種が増えている。
そのうえでホンダは、SUVは街乗りからロングドライブなど十分な性能を備えたコンパクトSUVは、グローバルスタンダードになるのではないかという。B・CセグのSUVにはまだ自由度があり、作り手の個性が出しやすいセグメントでもあるとして新型をデザインしたとも。
ヴェゼルは2013年12月、ホンダが新たに市場投入したモデル。まだ国際的にもライバルが少ない小型SUVだった。蓋を開けてみると、世界約120カ国で累計約384万台(2020年11月)を販売し、シビックなどと並ぶホンダグローバルモデルの主力に成長した。今回、7年振りのフルモデルチェンジでも「世界で選ばれるクルマ」を目指す。
ホンダが新型ヴェゼルのコンセプトに掲げたのが、「AMP UP YOUR LIFE」だ。その内容は、「実用性だけでなくプラスアルファの体験価値を提供することで、日々の生活の楽しさを増幅(AMP UP)させるようなモデル」(同社)ということだという。
掲げたテーマ実現のために重視した要素のひとつが、SUVらしい力強いプロポーションとゆとりの空間の両立だ。ホンダが従来から提唱している「M・M思想」、つまり人間のための空間は最大にし、機械のための空間は最小にするという同社の「マン・マキシム/メカ・ミニマム思想」だ、それを達成するために「センタータンクレイアウト」を踏襲したプラットフォームを更新した。写真を見る限り、伸びやかなシルエットで、先代よりもやや長く大型化したようにも思える。
パワートレーンは、1.5Lリッター4気筒DOHC i-VTECに変速機にCVTを搭載したガソリンモデルと、モーター走行を中心にさまざまなドライブシステムを使い分けるホンダ独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV(イーエイチイーブイ)」を搭載したハイブリッドモデルの2種となる。
e:HEVでは、リニアで心地よい加速感が味わえるほか、NORMAL、SPORT、ECONと3つの異なる走行モードが選択可能。また、Dレンジ、Bレンジ、減速セレクターにて、アクセルオフ時の異なる減速度合いを選択することが可能だ。
4WDモデルでは、悪天候や雪上走行においても安定したドライビングを可能にする、「リアルタイムAWD」を搭載。とくにe:HEVとの組み合わせでは、モータードライブの特徴である素早くリニアなトルク発生と、四輪に常時最適な駆動力配分を行うリアルタイムAWDの働きにより、さまざまな道路環境で、安定感のある愉しい走りを提供するという。
最新の安全運転支援システムについても抜かりは無い。「Honda SENSING(ホンダ センシング)」は、フロントワイドビューカメラと高速画像処理チップを採用。先代モデルからさらに機能を進化・充実させた。
アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)は、渋滞追従機能付きへと進化し、より安心で便利に、ドライバーの運転をサポートする。そのほかにも、衝突軽減ブレーキ(CMBS)、路外逸脱抑制機能、標識認識機能、車線維持支援システム(LKAS)の各機能を先代モデルよりも進化させている。また、後方誤発進抑制機能、近距離衝突軽減ブレーキ、オートハイビームなどの機能も新たに追加した。
詳細なスペックやグレード構成、価格などは未発表だが、順次公開される予定だという。(編集担当:吉田恒)