不正ID使用や核物質防護不備の状態が長期にわたり続いていたなど新潟県にある「東京電力・柏崎刈羽原発の核セキュリティの問題」が相次いでおり、原子力規制委員会は16日、柏崎刈羽原発について安全重要度評価を『赤』とした。
安全重要度評価は最も問題があるとされる「赤」から、限定的で極めて小さい「緑」まで赤、黄、白、緑の4段階に区分されている。赤は最悪レベル。東電経営陣の責任が問われてしかるべき重大問題といえよう。
東京電力は同日「暫定評価結果(赤)が原子力規制委員会で了承されたことについて、大変重く受け止めております。故障した核物質防護設備は修理・補修を実施し、既に全ての箇所が復旧しております。当該箇所における不正侵入は確認されておりません。加えて、核物質防護設備の故障等が新たに発生した場合においても実効性がある代替措置が実施できる体制を構築しております」と釈明とも受け取れる談話を発表した。
東京電力は「施設への不正侵入が検知できない可能性のある状態で長期間改善されないまま、社員警備員も代替措置に実効性がないことを認識していたのに改善していなかったなどから、30日以上、不正侵入が検知できない状態になっていた可能性がある」などとしている。
原子力規制委員会は「柏崎刈羽原子力発電所は組織的な管理機能が低下し、防護措置の有効性を長期にわたり適切に把握しておらず、核物質防護上重大な事態になり得る状況にあった」と指摘した。(編集担当:森高龍二)