原発再稼働の判断には「県民の信を問う」花角氏

2018年06月11日 12:11

 自民・公明対立憲民主党など野党の事実上の一騎打ちとなった10日投開票で実施された新潟県知事選挙は自公支持候補の新人・元新潟県副知事の花角英世氏が野党推薦候補の新人・元県議の池田千賀子氏を辛くも破り、初当選した。選挙には無所属新人の安中聡氏も立候補した。

 花角氏は54万6670票。池田氏は50万9568票。安中氏は4万5628票だった。投票率58・25%(前回53・05%)。

原発対応や与野党一騎打ちの構図に全国から注目された選挙だったが、自公支持の花角氏は投票日当日の新聞に「脱原発の社会をめざします。新潟県の3つの検証が終わるまで(柏崎刈羽原発の)再稼働の議論はしません! 再稼働の是非は県民の信を問います!」と広告。原発再稼働反対の住民層からの集票に強く切り込んだ。原発再稼働の判断には「県民の信を問う」と約束した。

惜敗した池田氏は「花角氏は原発ゼロを掲げて選挙戦を戦った。その実現に取り組んでほしい」と公約の実現を求めた。

立憲民主党の近藤昭一選対委員長は「原発再稼働や原発政策の推進に反対する数多くの県民の意思が表明されている。今後の新潟県政における原発政策について、県民の意思にそった行政が進められるよう引く続き注視していきたい」とするコメントを発表。

 近藤委員長は「森友・加計学園問題にみられる公文書改ざんや虚偽答弁など、国民の不信感を増幅させた安倍政権への批判の声は今回の投票でも示されたと考える」とした。

 また自由党の小沢一郎代表は「この国の未来を考えた場合、脱原発を含めた主張は全く正しい」とし「引き続き粘り強く国民に訴えかけていきたい。また、国家権力を乱用・私物化し、この国の民主主義や行政を破壊しながら暴走を続けている安倍政権と徹底的に闘って参りたい」とツイッターに書き込んだ。

 日本共産党の志位和夫委員長は「市民と野党が心一つに闘ったことは今後につながる大きな財産です。新潟でも全国でも共闘をさらに発展させるために力をつくす決意です」とツイッター発信した。(編集担当:森高龍二)