社会民主党は安倍晋三総理に対し「自民党の公約は『聖域なき関税撤廃を前提とする限り反対』だけではなく、国民皆保険制度を守る、食の安全安心の基準を守る、ISD(投資家対国家間の紛争解決)条項は合意しないなど6項目のはずだ」として「少なくとも6項目は全てパッケージであり、どれ一つ欠けても交渉参加はできないことを安倍首相は国内外に明言すべき」との談話を発表した。
社民党は「安倍総理が日米首脳会談に臨む際、TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉参加問題で大統領から関税撤廃の『聖域』確保に前向きの返答が得られれば、帰国後、早急に判断を下す方針とされるが、『聖域』とは何を指しているのか曖昧で、定義を明確に示す必要がある」と指摘。
そのうえで「聖域と言うのであれば、これまで日本が諸外国との通商交渉で確保してきた関税撤廃の例外品目(約940、うち農林水産品約850)は最重要であり、少なくともコメ、小麦、牛肉、乳製品、砂糖などの重要品目を例外・再協議扱いするよう求めた2006年12月の衆参両院の農林水産委員会における、日豪EPAに関する全会一致の決議の内容を譲ることがあってはならない。ごくわずかな関税撤廃の例外が認められた程度では日本農業を守ることなど到底できない」と断言する。
社民党は「TPPに関して国民が参加の是非を判断する基本的な情報すら未だ十分に開示されていない。こうした状況で交渉参加に踏み出すことなど論外であり、拙速に判断することに断固反対を重ねて強調する」とし、「TPP参加を危惧する広範な団体・個人と一層連携を強め、参加阻止の取り組みに全力を尽くす」との姿勢を示した。TPP問題は安倍総理帰国から国内議論が活発化しそうだ。(編集担当:森高龍二)