総裁選前の党役員人事刷新などの意向を示し、党内外から疑問や批判の声が向けられていた菅義偉総理(総裁)が3日、「新型コロナウイルス感染症対策に専念したい」として、17日告示、29日投開票で予定されている「自民党総裁選」に立候補しない意向を表明。役員人事にも手を付けない。菅総裁は、今任期は全うするとした。
総裁選に出馬表明している岸田文雄元政調会長は2日のBS-TBS番組で党役員人事に関して、自身が総裁に選ばれた場合に「自分が思うしっかりした人事を行うことは当然だ」と菅氏が人事を刷新しても、これを白紙に戻し、自身が考える人事を行うと表明していた。突然の菅総理の総裁選不出馬表明で、総裁選への新たな動きが出てきそうだ。
いずれにしても、自民党内には「菅総理の下で総選挙は戦えない」との声が広がっていた。社会民主党の福島みずほ党首も8月、地方講演で出席者の質問に答える中で「わたしが(自民党議員だったら)菅さんの下では選挙は戦えない」と語ったほど、外目にもそう映っていた。福島氏は「菅さんには共感力がない」と国民から共感を得る力が足りないとの認識を示した。野党は新総裁の顔と戦うことになる。(編集担当:森高龍二)