原子力災害対策本部は17日、福島県福島市大波地区(旧小国村)で産出される平成23年産の米の出荷制限を福島県知事に指示するとともに、原因究明につとめ、旧小国村周辺地域で産出される米についても検査を強化するようにもとめた。藤村修官房長官が同日夕の記者会見で発表した。
検査の結果については「速やかに公表するとともに、検査の結果、安全が確認された米については出荷制限を検討する」としている。
藤村官房長官は「今回、放射性セシウムの量が暫定規制値を超えた米は出荷前に検査されたものであり、一切市場に流通していない」とした。
福島県水田畑作課によると、旧小国村で生産された玄米を生産者の依頼で今月14日にJA新ふくしまの簡易分析器で分析した結果、暫定規制値を超える値が検出されたという。このため15日に福島県が県農業総合センターで分析した結果、暫定規制値を超えるキログラムあたり630ベクレルの放射性セシウムが検出された。この農家は840キログラムを収穫していたが全量、JAの倉庫と農家の自宅に保管されていた。
福島県では大波地区の全戸について調査し、実態把握と原因究明に努めるとともに、米の取り扱いについては厚生労働省、農林水産省と連携を密にして適切に対応するとしている。(編集担当:福角忠夫)