北ミサイル 我が国排他的経済水域内に落下

2021年09月17日 06:37

 北朝鮮が15日12時32分と37分ころに内陸部から弾道ミサイルを日本海方向に発射した事案に対し、ミサイルが日本の排他的経済水域内に落下していた。

 加藤勝信官房長官は当初「我が国の排他的経済水域の外の日本海に落下したと推定される、と発表していたが、弾道ミサイルの飛翔距離等については『変則的な飛翔』の可能性も含め引き続き分析を行っている」とし、その後の分析で排他的経済水域内に落下したとみられることがわかった。

 加藤官房長官は「弾道ミサイル発射は関連する安保理決議に違反するものであり、極めて遺憾。我が国としては北朝鮮に対して直ちに北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議し、強く非難した。引き続き、情報の収集、分析、警戒監視に全力を挙げ、今後追加して公表すべき情報を入手した場合には速やかに発表する」としていた。

 佐藤正久元防衛政務官はツイッターで防衛省の総合的な勘案分析(発射ミサイル2発はスカッドの軌道よりも低い高度=最高高度約50㎞程度=を変則軌道で約750㎞程度飛翔し、我が国排他的経済水域内に落下したものと推定)を取り上げ「最高高度50kmで約750km飛翔はかなりのレベルアップ」と発信。

 また北朝鮮・労働新聞が「鉄道機動連隊が初めて弾道ミサイルを発射、約800㎞飛翔した」としていることを紹介し、「我が国排他的経済水域内に落下したものと同じかどうかは不明」としたうえで、北朝鮮ニュースの記者が「鉄道利用は核ミサイル部隊にとり、安価で信頼できる選択肢が増える他、残存性も高いとしている」とツイッター発信していることも紹介した。

 韓国は北朝鮮が弾道ミサイルを発射した同日、独自開発した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射実験を行い、成功したと発表している。

聯合ニュースは「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長が、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領がSLBM発射実験視察後に『ミサイル戦力の増強こそ、北の挑発に対する確実な抑止力になりえる』と述べたことを非難し、南北関係を完全に破壊しかねないと警告した」と伝えている。今回の北の弾道ミサイル発射が韓国のSLBM発射実験への対向との見方もある。(編集担当:森高龍二)