自民党の総裁選が29日投開票され、岸田文雄前政調会長と河野太郎行革担当大臣の2人による決選投票の結果、岸田氏が257票=国会議員票249、都道府県連票8)を得て、河野氏(170票=国会議員票131、都道府県連票39)を破り、総裁に選ばれた。
これにより、「政権交代」か「自公政権続投」かの選択の「総選挙」は岸田総理の下での与野党一騎打ちになる。
立憲・共産にとっては「原発政策」で経団連と意思疎通を図る岸田内閣と「原発のない脱炭素社会を目指す」立場の明快な違いを主張できるほか、森友問題再調査の必要を一夜で翻した岸田氏に対して、政権を任せられれば、最初の閣議で森友問題・桜問題の真相究明チーム設置を指示するとしている立ち位置の違いを主張しやすくなり、岸田総理誕生で河野氏より戦いやすいとの見方も出ている。ただし、1回目の投票で、党員党友票では岸田氏を大きくリードした河野氏を岸田総裁がどう扱うか、河野氏の起用次第で状況はかわる。
臨時国会の召集が10月4日と閣議決定されていることから、この日に首班指名が行われ、現在の衆参与野党の議席数から岸田氏が総理に選ばれる。
今後、岸田内閣の顔ぶれが注目されるが、総選挙を控えた「選挙管理内閣」だけに、選挙結果いかんで終わる可能性もある。自民党が総選挙で議席を減らすことは確実だが、議席減が最小限にとどまり、自公政権続投なら、一定程度、岸田内閣への期待があるとして、来年の参院選挙まで岸田体制が続くことになる。(編集担当:森高龍二)