北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が29日の最高人民会議施政方針演説で「関係悪化で断絶していた南北通信連絡線を10月初旬から再び復活させると表明した」と朝鮮中央通信が30日に伝えたと聯合ニュースが報じた。
演説では「南北関係が1日も早く回復し、朝鮮半島に強固な平和が訪れることを望む民族と期待と念願を実現するための努力の一環」と語ったとしている。
また金委員長は「南朝鮮(韓国)は北朝鮮の挑発を抑止しなければならないという妄想と危機意識、被害意識から脱しなければならない」と主張した。
北朝鮮は南北融和への姿勢を示す一方、米韓の軍事演習や軍事力増強が武器開発に拍車をかけさせていると主張している。今月28日には「極超音速ミサイル」(火星8型)=音速の5倍以上で長時間、低い軌道でコースを変え標的に向かって飛行=発射実験を行ったことが明らかになっている。韓国軍合同参謀本部は「開発初期段階で実戦配備には相当な時間を要する」としているが、北朝鮮の軍備開発が新たな段階を迎えていることは確か。
佐藤正久元防衛政務官は29日、NHKが報じた労働新聞掲載の発射実験写真をみて「久々の液体燃料での発射実験、極超音速のミサイルとの発表だが、写真からは弾頭部分の形上と推進装置の部分に特徴。実戦配備にはこれからの段階だが、対中国含めIAMD(統合防空ミサイル防衛)は日米連携含め強化が必要」とツイッターに投稿した。(編集担当:森高龍二)