韓国原子力安全委員会は東京電力福島第一原発事故で増え続ける放射性物質汚染水のALPS処理水海洋放出について、東京電力が17日にALPS処理水を海洋放出した際の影響をシミュレーションした結果を公表したことに「海洋放出を前提とした報告書を出した」として「遺憾を表明する」と発表した。聯合ニュースが18日までに電子版で報じた。
それによると、韓国原子力安全委員会は報告書が「海洋放出を前提にしたもの」で遺憾としている。韓国は海洋放出に一貫して反対しており、今年9月に開かれた国際原子力機関(IAEA)総会でも、海洋放出を見直すよう要求するなど、放出に強い懸念を示している。
東京電力の今回の報告書に関して、同委員会は「韓国原子力安全技術院と該当報告書の検討に着手した」としている。報告書の内容を精査していく考えだ。
韓国外交部は今月12日の韓国と国際原子力機関(IAEA)とのハイレベル政策協議で、ALPS処理水の海洋放出に関連して「IAEAに客観性や透明性を確保した点検が重要」とし、客観的な視点での積極的な役割を果たすようIAEAに強く役割を果たすよう期待した。
東京電力はALPS処理水(放射性物質トリチウムは含有のまま)を海洋放出した場合の「人および環境への放射線の影響評価」について「線量限度や線量目標値、国際機関が提唱する生物種ごとに定められた値を大幅に下回る結果となった。人および環境への影響は極めて軽微であることを確認した」とした。
また「国内外の方々の懸念払拭ならびに理解醸成に向けて、人および環境への放射線の影響に関する科学的情報を透明性高く継続的に発信していく」と継続して情報開示していく考えを強調。
また12月18日午前0時まで、今回公表した「ALPS 処理水の海洋放出に係る放射線影響評価報告書(設計段階)」の内容に関して一般からの意見を受け付けている。(編集担当:森高龍二)