東京電力福島第一原発を2日に訪れた原子力規制委員会の更田豊志委員長は視察後、放射性物質による汚染水のALPS処理水(放射性物質トリチウム以外の放射性物質を取り除いた処理水)を原発から1キロ沖合の海中へ放出する計画実施に向けた工事に必要な事前申請を年内のできるだけ早い時期に受けたい」などと早期に提出することを希望した。
東電福島第一原発敷地内には今年9月末までに124万3000トンを超えるALPS処理水や処理途上水が貯留され、毎日、汚染水は増え続けている。このため、東電は国の方針を受け、2023年春にALPS処理水の海洋放出を目指して計画を進めている。
更田委員長は審査期間にはそれほど長い期間を要さないとの認識を示したうえで「説明のプロセスもある。本体工事の期間も考えるとできるだけ早い申請を望む」とした。
東電はALPS処理水(放射性物質トリチウムは含有のまま)を海洋放出した場合の「人および環境への放射線の影響評価」については先月に「線量限度や線量目標値、国際機関が提唱する生物種ごとに定められた値を大幅に下回る結果となった」と発表。
「人および環境への影響は極めて軽微であることを確認した」とした。この「ALPS 処理水の海洋放出に係る放射線影響評価報告書(設計段階)」の内容に関しては18日午前0時まで、現在、一般からの意見を受け付けている。「寄せられた意見はIAEA による処理水レビュー、東電参加公開会議等で使用する場合もある」としている。詳しくは東電HPから。(編集担当:森高龍二)