立憲民主党の稲富修二衆院議員は22日の衆院本会議で所得税法等の一部を改正する法律案への反対討論の理由の一つに財源確保に向けた具体的な税制改正議論が政府与党内で低調であったことや、岸田文雄総理が自民党総裁選で主張していた「金融所得課税の強化」を見送った姿勢などをあげた。背景に「とにかく、大過なく、無難に過ごしたい、という岸田政権の本質が表れているのではないか」とも提起した。また「総理の『聞く力』が『実行力の欠如』にならないか、大変心配している」と苦言を呈した。
稲富氏は「我々はコロナ禍での国民生活を支える政策とともに(1)所得税の最高税率引き上げ(2)将来的な総合課税化を見据えた金融所得課税の強化(3)法人税への超過累進税率導入など、負担増をお願いする財源確保策も明確に主張してきた」と強調。
また「欧米諸国でも、コロナ下における財政支出の増大を受けて、財源確保のために大企業や富裕層に対する増税等を検討、実施する動きが進んでいる」ことをあげ「我が国の公債残高は2021年度末に初めて1000兆円を超える見通しだ」と指摘。
稲富氏は「財政状況がますます厳しくなる中、財源確保に向けた具体的な税制改正の議論が政府与党内で低調だったことは極めて問題であり、日本の財政に対する信頼を揺るがしかねない」と指摘した。(編集担当:森高龍二)