核シェアリング「わが国で認められない」総理

2022年03月02日 06:00

 岸田文雄総理は28日、参院予算委員会で、安倍晋三元総理が米国の核を国内に配備し、安全を担保する「核シェアリングの議論をタブー視してはならない」などと民放番組で語ったことについて「非核3原則(核を持たない、つくらない、持ち込ませないとする原則、で国是になっている)を堅持するという我が国の立場から考えて、認められない」と断じた。

 岸田総理は「自国の防衛のために米国の核を共有する、そういった枠組みを想定しているものであるとしたなら、これは認められないと認識する」と答弁。非核3原則堅持の姿勢を示した。林芳正外務大臣も「非核3原則を堅持していく考えに変わりはない」と答えた。

 安倍氏は民放番組で核保有について「NATOにおいても、ドイツやベルギーやオランダ、イタリアと核シェアリング(共有)をしている、自国にアメリカの核を置いていて、落とすのはそれぞれの国が行うというシステム、多くの国民のみなさん、ご存じないのだろう。日本はもちろんNPT(核拡散防止条約)加盟国でもあり、非核3原則があるが、世界はどのよう安全が守られているかという現実について、議論していくことをタブー視してはならないと思う」などと非核3原則を無視する暴論をしていた。

 元国連職員で立憲民主党の田島麻衣子参院議員が安倍氏の発言を取り上げ「元総理にものが言えるのは岸田総理以外にいない。総理としての答弁を」と求めたのに岸田総理が答えた。田島議員は「しっかりした答弁ありがとうございます。その考えを、しっかり元総理にお伝えください」と核シェアリングを是とするような考え自体が『非核3原則』の国是に則わないことであることを伝えるよう、求めた。(編集担当:森高龍二)