政府は4日、ロシアによるウクライナ侵略が世界の原油価格や需給に大きな影響を与える可能性があるとして元売り事業者などに価格抑制のため支給している額の上限を「5円」から「25円」に引き上げるなど「原油価格高騰に対する緊急対策」を発表した。
緊急対策では国際原油市場の安定化を図るため、ハイレベルの会談、在外公館を通し産油国への増産の働きかけを実施することなどをあげた。また中小企業対策として商工会議所などに「ウクライナ情勢・原油価格上昇等に関する特別相談窓口」を設置すること、日本政策金融公庫等が実施するセーフティネット貸付の要件緩和や金利引下げなどを行うとしている。
またエネルギー構造の転換を促進するとして、産業・業務部門における性能の優れた省エネ設備への更新に係る補助制度を活用し、エネルギーコストを節減するほか、電気自動車や燃料電池自動車等について購入支援を充実させることを盛り込んだ。
このほか原油価格高騰対策に係る特別交付税措置により、生活困窮者に対する灯油購入費等の助成をはじめ、地方公共団体実施の原油価格高騰対策に財政支援を行うほか、漁業、農林業、運輸業など産業別の支援を拡充する。
松野博一官房長官は記者会見で「今回の緊急対策実行のため、本日、総額3606億円の予備費使用を閣議決定した。今後、緊急対策に盛り込まれた施策を速やかに実施していく」と語った。(編集担当:森高龍二)