2019年の参院選挙での自民候補応援に安倍晋三総理(当時)が街頭演説した際、増税反対のプラカードを持った女性や「安倍やめろ」などのヤジを飛ばした男性を北海道警が安全確保のためなどと取り囲み、その場から排除した事件で、札幌地裁は25日「表現の自由を侵害する違法(な排除行為)」とし、北海道警に原告の2人に計88万円の賠償を命じた。
広瀬孝裁判長は「生命や身体に危害を加えるものや事件性があったとは確認できない」と断じた。問題発覚当初から、安倍政権に忖度した行為で、憲法が保障する民主主義国会において最も重要な「表現の自由」を不当に侵害する行為だと、北海道警に対する批判の声や北海道警の行為を疑問視する声が相次いでいた。
日本共産党の山下芳生副委員長は26日、「司法による違法行為だが、北海道警は、いったいどこから指示されたのか?」と2019年11月8日の衆院法務委員会で、男女2人を北海道警が排除した「法的根拠」を質した日本共産党の藤野保史議員(当時、昨年の衆院選で議席を失う)に対し、警察庁官房審議官がまったく法的根拠を示せずにいた状況を添付して、ツイッター発信した。(編集担当:森高龍二)