新国立競技場、2年で「すでに20億円の赤字」「払うのは」「(国からの)交付金」つまり「国費」。税金だ。
立憲民主党の蓮舫議員は21日の参院文教科学委員会で新国立競技場運営問題について「2000億円もの税金を投じてつくったものが、すでに(2年で)20億円の赤字見通し、民間事業がいつになるのかも分からなく、それまでは税金で補填し続ける。とても理解できない。どんな議論をしているのか、(取り組みについて)情報公開を」と末松信介文科大臣に国民が理解できるよう情報公開を求めた。
蓮舫議員は「東京オリンピックが終わり半年。この新国立競技場、レガシーどころか『負の遺産』(にならないか)を大変懸念している」と提起した。
蓮舫氏は「2020年の新国立競技場のランニングコストは約11億円。収入は1億5000万円。収支9億円の赤字」と指摘。「21年の収入は」と質した。
末松文科大臣は「今、決算の途中。(まとまるのは)6月ころになってしまうと思う」と答弁。蓮舫氏は「2020年大会のテストイベント等のみに貸し出されて、それ以降の通常イベント等には貸し出されていない。つまり、収入はない。経費は21億円くらいかかり、その間の収入は1億5000万円。すでに20億円赤字じゃないか」と指摘。
そのうえで「これを誰が払うのか」と質したが、末松大臣は「今のところは日本スポーツ振興センター(JSC)の会計の中で貯めていただくしかない」などと表面上の逃げ答弁。
このため、蓮舫氏は「JSCの運営交付金は何ですか」と質した。末松大臣は「運営交付金は当然でございます」などと国費(税金)と言わなかったため、蓮舫氏は「どこからの財源か」と再度求めた。松末大臣は「当然、国費になると思います」と渋々、答えた。
蓮舫氏は「民間が事業を始めるまで赤字は出続ける。誰が負担していくのか」。末松大臣は「国費になろうかと思います」と他人事。末松大臣は「施設ができた以上、できるだけ赤字を抑えていくのは当然なので、検討を重ねていきたい」と答えたが、事務的答弁にしか聞こえないものだった。
蓮舫氏は質問終了後、ツイッターで「新国立競技場の年間のランニングコストは11億円。50年間のライフサイクルコストは650億円で年間13億円。毎年24億円の収入を確保しないと赤字となり、税金で補填することに」と国民負担、まさに「負の遺産」になりかねない問題を指摘し「末松大臣は終始『頑張ります』との精神論答弁で、数字や根拠なし」としっかり数字や根拠を示せるよう努めるべきと促した。(編集担当:森高龍二)