米軍基地再編に伴い神奈川県内の米軍厚木基地から山口県岩国基地に空母艦載機を移転する計画で、山口県2区選出の平岡秀夫法務大臣が日米合意に基づく閣議決定に対し「閣議決定には従うが、政治家個人としての考えでは反対」としている問題が、8日の衆議院予算委員会で取り上げられた。
茂木敏充自民党政調会長が平岡法相の発言を取り上げ、発言の撤回か、撤回しないのであれば法相を辞すかなど、法相の考えを強い姿勢で求めた。
この問題で、憲法第66条3項の「内閣の一体性」(内閣は行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負うこと)について憲法解釈を担当している枝野幸男経済産業大臣は「閣議で決まった方針には従うということであれば、憲法上問題はない」とし、平岡法相は「閣議で決まったことには従っていく」と答弁。そのうえで「政治家個人としての考えでは反対であり、今でも変わりません」と個人の立場で移転に反対との姿勢を変えなかった。また、「地元住民の皆さんの声をしっかり野田内閣に伝えていくのが仕事」とも答えた。
野田佳彦総理は「(平岡法相には)内閣の方針に基づいて行動頂けると理解している」とした。茂木氏は野田総理に「(閣議決定と)違う方向に行こうとする部品は取り替えた方がいい」と語った。(編集担当:福角忠夫)