桜に無償の酒提供 裏に酒税巡る先送り疑惑

2022年06月05日 08:53

 安倍晋三元総理の後援会主催の「桜を見る会」前夜祭の宴に2016年~2019年までの4年間、サントリーホールディングスが毎年、ウイスキーやワイン・ビール・焼酎を無償提供していた背景に「第3のビール」への増税先送りへの『お礼』の意味があったのではないかとの疑惑を赤旗日曜版(6月5日付け)が報じた。

 政府・自民党がビールを減税し、発泡酒と第3のビールを増税して、税額1本化を検討していた中で、15年度、16年度の2度にわたり、一本化は見送られたとし、その背景に当時の安倍内閣の下で14年から政府の経済財政諮問会議「民間議員」を務めていたサントリーホールディングス社長・新浪剛史氏と親密な関係にあったとしている。新浪氏は岸田内閣でも経済財政諮問会議の民間議員を務めている。

 報道では「17年から3年間は税額変更に手を付けず、20年10月から3段階に分けて変更、26年10月に一本化することを決めた」としている。第3のビールや発泡酒のウエイトの高いサントリーにとって、酒税一本化の先送りは大きなメリットになると推察される。

 また赤旗は、サントリーホールディングスから自民党の政治資金団体「国民政治協会」に安倍内閣発足(12年12月)~安倍総理辞任(20年9月)までの約8年間に「約3600万円の献金をしていた」とも報じた。

 加計、森友に象徴された安倍元総理の「お友達」優遇疑惑。ここでも存在したのか。「(桜を見る会前夜祭)問題は終わっていない。安倍氏がやるべきは、改憲を煽り立てることでなく、疑惑に真摯に向き合い、国民に説明責任を果たすことだ」(日本共産党・志位和夫委員長)。安倍氏には国民への説明が求められよう。(編集担当:森高龍二)