文書、統計様々な不祥事反省し再発防止にと総理

2021年12月19日 08:50

 岸田文雄総理は17日の参院予算委員会で、国内総生産(GDP)にも影響する基幹統計「建設工事受注動態統計」の安倍政権下で行われていた書き換え問題に関し、日本共産党の小池晃書記局長から「公文書や統計は民主主義の基礎だ。国民のための公共財であり、政権の都合に合わせて改ざん・隠ぺいすることなど許されない。その認識があるのか」と質され、「公文書や統計は現在・未来の国民に対する説明責任を果たすために重要なもので、民主主義の根幹である」と指摘通りだと認める答弁をした。

 小池氏は「公文書の改ざん・隠ぺいは安倍政権の時からだ」とし「桜を見る会のメンバー(名簿の)シュレッダ―、自衛隊のイラク派遣の時は隠ぺい、厚労省の裁量労働制データの改ざん、森友学園問題での公文書改ざん・虚偽答弁。安倍政権時代からの異常な体質に徹底的にメスを入れ、膿を出し切るべきではないですか」と質した。

 岸田総理は「文書、統計に対する様々な不祥事について、反省し、二度と(こうしたことが)起こらないためにどうしたらいいのか、私の政府においても、しっかり(再発させないために取り組みを)行っていく」と答えた。

 建設工事受注動態統計は建設業者が官民からの工事受注実績を集計するもので、GDP算出のための基幹統計になっている。それが第2次安倍政権発足の翌年度(2013年度)から会計検査院から指摘を受ける19年まで都道府県でデータの書き換えが行われ、会計検査院指摘後も国交省職員自らが今年3月まで書き換えてきたことが明らかになっている。

 政府は国交大臣の下に元検事や弁護士らによる第3者委員会を設置し、検証の上、1か月以内に報告書にとりまとめ、総務省統計委員会に提出するとしている。

 安倍政権下で改ざんが始まったことから「アベノミクスの経済効果粉飾のためになされたのではないか」との疑惑も出ている。今回の改ざん問題、公文書改ざんなら「公用文書毀棄罪」、原票改ざんなら「私文書変造罪」の疑いが指摘されている。原因究明と再発防止策に加え、事案関係者への厳格な処分も再発防止に必要との声も出ている。(編集担当:森高龍二)