桜を見る会前夜祭で安倍氏側持ち込み振る舞い酒

2022年05月29日 08:03

 新聞「赤旗」日曜版編集部は5月29日号で、安倍晋三元総理事務所側が2018年4月の『桜を見る会』前夜祭会場に「大量の酒を持ち込み、有権者らに提供していた」と安倍元総理側による有権者への新たな利益供与疑惑を報じた。刑事確定訴訟記録法に基づいて赤旗編集部が東京地検に事件記録の閲覧を請求して明らかになったとしている。

 この酒の量は「ビール80本、ウイスキー30本、赤ワイン24本、白ワイン24本、焼酎(720ミリリットル)12本」。会場となったホテル職員が作成した「宴会ファイル」に安倍事務所側が持ち込んだ酒の種類、本数が明記されていた。

 赤旗はお酒持ち込みの狙いについて、安倍東京事務所秘書が供述調書で「(前夜祭の会費は1人5000円だった)不足分を安倍代議士個人や安倍代議士の関係政治団体が負担することになれば、地元の有権者に対する寄付に該当し、公職選挙法に違反するおそれがあることはわかっていました。ホテルから提供される飲食の代金を抑えるため、お酒を持ち込んだ」としていることを紹介。

 酒の出所についてサントリーホールディングスであったこと、無償で提供されていたことを突き止めた。企業が寄付できるのは政党か政治資金団体に限られているため、安倍晋三後援会に寄付されたのであれば「違法な企業献金」(政治資金規正法違反)に該当する可能性がある、としている。

 神戸学院大学の上脇博之教授は赤旗日曜版の取材に「新たな重大事実が出てきた以上、安倍元総理は当然、国会で説明する必要がある」と国民に対し国会での説明責任があると説明を求める。防衛費大幅増額や台湾有事、核共有議論では持論を展開し、最大派閥の長として意気軒昂だが、総理時代の自身の疑惑に対する説明に関しての発言はない。今回の持ち込み振る舞い酒に関しての元総理、国会議員としての説明が求められている。(編集担当:森高龍二)