岸信夫防衛大臣は10日の記者会見で、海上自衛隊が9日に北海道東方の太平洋で活動するロシア艦艇5隻を確認した事案について「ロシア国防省はロシア軍太平洋艦隊の艦艇40隻以上・航空機約20機が参加する大規模演習を太平洋で実施するとしており、これに関連し、千島列島周辺海域及びわが国のEEZを含む三陸沖の海域でミサイル発射等を目的とした航行警報を発出している」と述べ、今回確認した5隻は演習の一環と考えている」との受け止めを語った。
そのうえで「今後、三陸沖においても演習を実施する可能性について注視する必要がある」とした。
岸大臣は「ウクライナ(UA)への侵略を行う中にあっても、ロシア軍が極東においても同時に活動し得る能力を誇示する狙いもあると考えている」とし「関連する軍事動向について、重大な懸念を持って情報収集・警戒監視を継続する」とした。
またアジア太平洋地域の国防大臣らが参加するシャングリラ会合へ出席のため、10日~12日、シンガポールを訪ねる岸大臣は「ロシアによるウクライナ侵略が示すインド太平洋地域への含意やこの地域の平和と繁栄に向けたわが国の取り組みについて説明するとともに、ルールに基づく国際秩序の維持・強化のために国際社会が結束して対応することの重要性を各国に訴えていきたい」と会合でのスピーチで呼び掛けるとした。(編集担当:森高龍二)