政府は7日閣議決定した骨太の方針で「新たな国家安全保障戦略等の検討を加速し、国家安全保障の最終的な担保となる防衛力を5年以内に抜本的に強化する」と明記した。
安倍晋三元総理が強く求めた「GDP比2%」と防衛費の具体的数値こそ明記を避けたが「抜本的強化」という表現で道を残した。
政府は骨太の方針で「国際社会では米中競争、国家間競争の時代に本格的に突入する中、ロシアがウクライナを侵略し、国際秩序の根幹を揺るがすとともに、インド太平洋地域においても、力による一方的な現状変更やその試みが生じており、安全保障環境は一層厳しさを増している」とし「外交・安全保障双方の大幅な強化が求められている」とした。
そのうえで「NATO諸国においては国防予算を対GDP比2%以上とする基準を満たすという誓約へのコミットメントを果たすための努力を加速することと防衛力強化について改めて合意がなされた」と記述し、日本も歩調を合わせたいような姿勢をにおわせている。
ただ、GDP比2%は金額ベースで11兆円を超える。日本共産党の小池晃書記局長は「防衛省の予算額が事実上、中央省庁で2番目なんて軍事国家そのもの。憲法9条(戦争放棄規定)と相容れない」と国会質疑や記者会見、マスコミからの取材の場で強く反発している。数字ありきの議論では国民の理解は得られない。敵基地攻撃能力(反撃能力)を含め、徹底した国会での議論が必要だろう。(編集担当:森高龍二)