参院選後の経済戦略。「デジタル」「グリーン」「人材投資」の3つの未来投資で経済基盤の底上げを

2022年07月14日 07:42

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日本総研が「参院選挙後の優先政策課題」についてレポート。「選択的グローバル化」にシフトした現在、「内なる国際化」「課題解決先進国」「人材投資・賃上げ促進」経済基盤強化政策が重要

 7月10日に投開票された参議院選挙で与党自民党が圧勝、岸田政権の政策基盤は盤石なものとなった。向こう3年国政選挙はなく、時代の変革期の中、岸田政権は長期的視野から独自の政策を打ち出し実行することが可能となり、それが日本の未来を左右すると言ってもよい。この数年間で世界は大きく変わった。これまでは「グローバルスタンダードはアメリカンスタンダード」と言われるような、アメリカの強いリーダーシップに牽引された「ハイパー・グローバリゼーション」の時代であったと言える。

 以前よりテクノロジーの変化でその基盤は大きく変容しつつあったと言えるが、コロナとウクライナ情勢は、新たなグローバルゼーションへの全般的シフトを加速している。それは多様な国々が複雑に再編成される「選択的グローバル化」の時代であり、サプライチェーン混乱の中で、その動きは加速された。世界は脱炭素化に向けて進んできたが、パンデミックの中、エネルギー問題が需給不一致という形をとり前倒しで意識されることとなり、持続可能性(サステナビリティ)の問題が大きくクローズアップされてきた。パンデミックの中、日本がこの点において、世界から大きく遅れていることが強く意識された。

 7月11日、日本総合研究所がレポート「参院選挙後の優先政策課題 ~国際情勢激変で求められる経済基盤強化策の3つの柱~」を公表している。国際情勢の変化によって、安全保障も含め日本固有の戦略構築が強く求められるが、「他国との交流・友好を積極的に進めることの重要性は変わらない」。「だが、そうした観点からわが国の現状を直視すれば、その後れには危機感を持たざるを得ない」とレポートは指摘する。足元では急速な円安によって日本産業の弱体化が意識され、「内なるグローバル化」の遅れが日本企業のグロール競争力の衰退の露呈につながっている。「デジタル投資」「グリーン投資」「人材投資」といった未来への投資についても、大幅に遅れてしまったことは否定できず、この克服が日本産業の未来を決める。

 レポートが提言する現政権が優先すべき取り組みについては、1)戦略的なグローバル化の推進(内なる国際化、その為の人材交流の回復・活発化)、2)「課題解決先進国」を目指す投資の強化(社会課題解決促進のためのパイロット・プロジェクト)、3)人材投資・賃上げ促進への注力(「普通の労働者」の質の高さを維持、女性活躍・ミドル・シニア層の再活性化)、という3つの柱からなる経済基盤強化策の実行を挙げている。(編集担当:久保田雄城)