1兆円は法人税、所得税、たばこ税で賄うと総理

2022年12月20日 07:19

 岸田文雄総理は防衛力の抜本的強化を図るための新たな国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の3文書の閣議決定後、記者会見し、今後5年間で43兆円の防衛力整備計画を実施する。2027年度には抜本的に強化された防衛力とそれを補完する取組みを合わせてGDP(国内総生産)の2%の予算を確保すると表明。

 そのうえで、その後も毎年度4兆円の安定した財源の確保が必要になるとし、そのうちの約3兆円は歳出改革などで賄えるが、1兆円強は法人税、所得税、たばこ税で賄うとした。

 岸田総理は16日の記者会見で、法人税について「法人税額に税率4~4.5%の新たな付加税をお願いする。法人税率に換算すると1パーセント程度だ」と説明。「その際にも中小企業への配慮を大幅に強化し、所得換算で約2400万円の控除を設けた。今回の措置対象となるのは全法人の6%弱だ」と説明した。
 
 また所得税について「物価高に賃上げが追い付いていない現下の家計の状況を踏まえ、所得税の負担が増加しないようにしている。所得税額に対して2.1%お願いしている復興特別所得税を1%引下げ、課税期間を延長して、復興財源の総額を確実に確保する。廃炉や福島国際研究教育機構の構築など、息の長い取組みについてもしっかり支援できるように引き続き責任を持って取組んでいく。その上で、減額分に相当する税率1%の新たな付加税をお願いする」と理解を求めた。たばこ税については1本3円相当の引上げを段階的に実施する、とした。

 これらについて、実施に関しては「現下の経済状況等を踏まえ27年度に向けて複数年かけて段階的に実施する。開始時期等の詳細については与党でも議論を続け、来年決定することになった」と実施時期は事実上、先送りした。(編集担当:森高龍二)