徴用工巡る訴訟問題で韓国政府の対応評価 総理

2023年03月08日 07:07

 岸田文雄総理は6日、韓国政府が徴用工問題(旧朝鮮半島労働者問題)を巡る訴訟で、韓国大法院(最高裁)が確定させた被告(邦人企業)の賠償を韓国の財団が肩代わりする解決策を示したことについて「韓国政府の措置は日韓関係を健全な関係に戻すためのものとして評価している」と評した。

 岸田総理は「韓国の尹(ユン)大統領との間においてニューヨークにおける懇談、カンボジアにおける日韓首脳会談を始め、様々な場で意思疎通を図ってきた。日本と韓国、国際社会における様々な課題に向き合う上で、重要な隣国関係であると思っている。現下の国際情勢、戦略環境を考えた際に日韓、日米韓の連携は重要と認識している。今後とも大統領との間においては緊密に意思疎通を図っていきたい」と述べた。

 記者団からの不可逆性の担保に関する質問には「韓国政府側も様々な努力を行っている。これを契機に措置の実施とともに、日韓関係を強化し、力強く進めていくことにつながることを期待している」と前向きに捉えた。岸田総理は「御質問については申し上げることは以上です」とした。

 また、日韓懸案の「輸出管理」に関しても「双方が2019年7月以前の状態に戻すべく、韓国がWTO(世界貿易機関)の紛争解決プロセスの停止を表明したことを踏まえ、関連の二国間協議を日韓当局間で速やかに行っていくこととしたと(経産省から)報告を受けている。是非、しっかり進めてもらいたい」と期待した。(編集担当:森高龍二)