日本が議長国を務めるG7広島サミットが目前に迫ってきた。第49回先進国首脳会議、通称G7広島サミットは、2023年5月19日から5月21日に日本の広島県広島市のグランドプリンスホテル広島で開催される予定だ。また、それに伴って全国各地で10を超える閣僚会合も開催される。
G7サミットは、フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ(議長国順)の7か国と欧州連合(EU)が参加し、世界経済や地域情勢、地球規模の様々な課題やその時々の国際社会における重要な課題について、各国の首脳による意見交換が行われる。今回は被爆地である広島が開催地とあって、とりわけ重要課題の一つである「核軍縮・不拡散」に対する各国の考え方に注目が集まりそうだ。ロシアのウクライナ軍事侵攻などで世界情勢が不穏な空気に包まれている中、核兵器を所有する米英仏3カ国を含む各国の首脳が初めて広島に集まる意味は大きい。
一方、開催国である日本にとっては、自国の魅力や技術を世界に向けて発信できる絶好の機会でもある。新型コロナ禍からの回復もようやく動き出したばかり。G7の成功はもとより、諸外国に興味や関心を持ってもらい、経済活動や観光誘致へと上手くつながってほしいものだ。
そこで広島県では現在、県産の農林水産物の販路・消費拡大を目的にした「おいしい!広島」プロジェクトを推進している。広島は名物のお好み焼きや牡蠣だけでなく、瀬戸内海の海の幸をはじめ、温暖な気候がもたらす農作物にも恵まれたグルメの宝庫だ。
例えば、イオンモール広島府中は5月3日から、キリンビール株式会社中国支社とタイアップして「おいしい!広島 クラフトビアガーデン」を開催。広島の人気中華料理店「中華料理 四季」「中国料理 川菜味」らが,県産豚肉を中心にクラフトビールに合う自慢のメニューを提供している。
また、今回のサミットでは地球環境の改善も重要課題の一つ。2050年のカーボンニュートラル実現のために今、何ができるのか。
そんな日本の取り組みの一つとして、木造注文住宅メーカーの株式会社AQ Group(旧アキュラホーム)が世界で初めて開発したカンナ削りの「木のストロー」が、G7広島サミット関係閣僚会議の展示物に選定されている。この「木のストロー」はこれまでに「地球環境大賞」や2年連続のグッドデザイン賞の受賞など11の賞を受賞。2019年には日本全国で開催されたG20大阪サミット関係閣僚会合でも採用され、首相の外遊先に日本の魅力を伝える「We Are Tomodachi」(内閣府政府広報室・発行)に掲載され、その後、各大臣の海外要人への手土産としても活用されているものだ。さらに、2021年にはドバイ万博日本館でVIPのお土産として採用や2022年フランス・パリのJapan EXPOにも出展されるなど世界からも注目を集めている。今回のサミットでも、大きな話題となることだろう。
AQ Groupでは今回の選定を記念し、6月の環境月間に先立って、5月13日から「木のストロー手づくり体験会」を全国の展示場で開催する予定だ。家族で体験すれば、SDGsを身近に感じられる良い機会になるのではないだろうか。
新型コロナウイルス禍がようやく鎮静化しつつあり、訪日観光客も予想以上のペースで急回復している。世界が注目するサミットの成功を契機に、日本経済の急回復も期待したいものだ。(編集担当:今井慎太郎)