マイナンバーカードを巡る一連のトラブルへの懸念や政府に対する不信感などからカード返納の動きが出ているが、松本剛明総務大臣は9日までの記者会見で、カードの廃止枚数は制度開始以来の累計で492万枚(6月30日時点)、このうち自主返納47万枚になっているが、自主返納の内容は様々と強調した。
松本大臣は492万枚について「亡くなった方、有効期限切れなど自動的に期限が有効でなくなって廃止されるものもあるし、紛失のように届出をいただいて廃止するものもある。今のところ廃止については死亡、有効期限切れ、紛失、更新に伴うもの、国外転出などに分類をしており、最後に『本人希望・その他』ということで47万枚ほど廃止していると報告を受けている」とした。
その本人希望などを含む47万枚について、松本大臣は「本人が希望したカードの廃止、転入届出から90日を経過して継続利用処理が行われていない場合の廃止、外国人住民が在留期間満了前に在留期間の短縮によりカードを廃止、引っ越しを重ねたことによりマイナンバーカードの追記欄に余白がなくなって再発行することによる廃止などの件数も含まれている。よく取り上げられている『自主返納』というのも、定義をどうするかということで、47万枚の中に『本人希望』がどのぐらいあるのかというのが把握できる仕組みにはなっていない」と47万枚そのものが、本人希望による廃止ではないとの旨を強調した。
そのうえで、松本大臣は「自主返納そのものについてはそれぞれ個々の方々の判断ですのでコメントは申し上げておりませんが、マイナンバー制度、マイナンバーカードについての意義への理解と信頼確保に努めていきたい」と語った。(編集担当:森高龍二)