空前の平屋ブーム! ここ数年で倍増する平屋ニーズ。何がそんなに魅力なの?

2023年08月20日 10:33

「剛木造 超空間の平屋」外観イメージ (1)

ここ数年、住宅業界に小さな異変が起こっているらしい。それは新築で「平屋」を求める人が増えている

 ここ数年、住宅業界に小さな異変が起こっているらしい。それは新築で「平屋」を求める人が増えているということだ。

 限られた土地に建てるなら、出来る限り有効に使って、一部屋でも多く増やしたい。そんな常識は今、非常識になりつつあるらしい。セキスイハイムの調査によると、50代以上の32.9%が次に住みたいのは「平屋」と回答しており、「二階建て以上の戸建て住宅」の26%を圧倒している。また、国土交通省の建築着工統計調査でも、2010年には6.19%だった全体の建築着工数に占める平屋の割合が、2020年には11.8%とおよそ2倍に増えている。でも、なぜ今、「平屋」なのか。

 平屋のメリットは、何といってもワンフロアで暮らせる解放感だろう。また、高齢になった時を想定した人生計画の中で、階段のない生活、段差の少ない生活への安心感も大きいと思われる。構想的に地震に強いというのも大きなメリットだ。そして、最近はInstagramなどのSNSでも平屋の我が家の画像を投稿する人が増えていることから、デザイン性が高く、スローライフな住宅に憧れを抱く若者世代も増えていることもブームを後押ししているようだ。

 住宅メーカー各社も平屋に注力している会社が増えてきている。例えば、リビングにキリンが登場するCMで話題になったAQ Group(アキュラホーム)の「超空間の平屋」もその一つだ。「超空間の平屋」は、強固な構造から平屋に最適な大きな窓や、LDK2.8mの天井高を実現しており、平屋の開放感を最大限に高めてくれる。また、同社が提案する、太陽光発電システムと組み合わせた全館空調システム「匠空調S」や、高断熱仕様を組み合わせると、家中が年中快適で、光熱費も徹底的に抑え込んだ理想の平屋暮らしが実現できるのだ。

 一方、パナソニックホームズでは、スキップフロアと大型収納を備えた平屋を提案している。

 二階は無くとも、多様な使い方ができるスキップフロアがあることで、プライベートな空間も確保することができると評判も上々なようだ。また、約3mの深い軒がつくるワイドなテラスは、時にはオープンカフェ、時にはワークスペースとして活用。平屋暮らしの毎日に、ちょっと贅沢な時間を提供してくれるフレキシブルな空間として人気を集めている。

 もちろん、二階建てや三階建てなど階層のある住宅にも、平屋にはない良さがふんだんにある。家族構成やライフスタイルによっても異なるだろう。でも、核家族化や高齢化社会が進む今、これからの住宅選びにおいて、平屋はますます大きな選択肢となってきそうだ。(編集担当:藤原伊織)