藤村修官房長官は沖縄駐留米軍・普天間飛行場の移設先に予定されている沖縄県名護市辺野古への移設計画に基づく環境影響評価(アセスメント)の評価書を「年内に沖縄県に提出することになる」と17日語った。同日、一川保夫防衛大臣は沖縄県に仲井眞弘多知事を訪ね、その意向を伝えた。仲井眞知事は難色を示したという。評価書提出から90日以内に何らかの判断が沖縄県知事から出されることになる。
一方で、アセスメントの手続きがすめば、辺野古沿岸部の埋め立てを申請することができるが、藤村官房長官は「(一部報道で言われているような、来年6月までに埋め立ての申請をするかどうかについては)具体的に、いつ埋め立て申請をするか、政府内で決定した事実はない」とした。しかし、具体化を先延ばしすることは日本政府のリーダーシップに対するアメリカ政府の信頼を弱めることにつながりかねない。
普天間飛行場の移設が具体化していく中で、政府がいかに2国間協議に基づく計画を履行し、一方で、負担を強いられ続けている沖縄県民の負担軽減とともに、国家安全保障と日米同盟関係の深化に理解を得ていくのか、野田政権にとって、これからが正念場となる。
(編集担当:福角忠夫)