岸田文雄総理は国連の常任理事国が有する「拒否権」の弊害問題について、21日までの内外記者会見で記者団の問いに答え「常任理事国による拒否権の行使は最大限自制されるべきだ」と強調した。
そのうえで「拒否権の行使抑制については決して簡単なものではないと思っているが、従来からフランス、メキシコは抑制に積極的だ。G4(日本、ブラジル、ドイツ、インド)、アフリカ、最近ではアメリカも安保理改革には積極的。こういった国々と意思疎通を図ることによって具体的な案を積み上げていく努力を行わなければならない」と述べた。
またALPS処理水の海洋放出について国連での一般討論演説で触れなかった理由について記者団の問いに、岸田総理は「一般討論演説では国際社会の協調に向けた協力に焦点を置いた」とし「演説の焦点が国際社会の協調に向けた協力というものであったことから、ALPS処理水の海洋放出については触れなかった。ALPS処理水をめぐる日本の立場については、これまでも国際会議の場、二国間会談の機会に丁寧に説明し、幅広い理解を得てきているところであり、これからも努力は続けていきたい」と演説の焦点が違ったために触れなかった、と説明した。(編集担当:森高龍二)