近年はiPhoneやAndroidを始めとしたスマートフォンの登場により、モバイル環境でも多彩なアプリケーションの使用が可能となっている。ゲームや動画再生、天気予報をはじめその数は膨大であり、日々、種類を増やしている。
そのような中、脈波センサーをはじめとする様々なセンサーの可能性を引き出すアプリケーションの研究開発に取り組んでいる電通国際情報サービス(以下ISID)と立命館大学。そして脈波センサーのウェアラブル化と、無線送信による携帯端末でのデータの分析を実現しつつ、指輪型、ブレスレッド型、イヤリング型など、日常における様々な利用シーンを想定した開発を実施しているロームが手を組み、新たなスマートフォン向けアプリケーション「感性アプリ」と「脈音 MyacNe」を開発した。
現在、脈波センサーは、脈波を測定することにより、脈拍数に加えて自律神経の状態などを解析できることから、健康管理やストレスチェックなどヘルスケア分野における活用が進んでいる。また、身体の状態を手軽に測定できる特徴を活かして、今後はゲームや音楽といったエンターテインメントなど幅広い分野への適用が見込まれている。
今回開発した「感性アプリ」は、脈波を解析することで得られる自律神経に関するデータを用いて、人の感情を表せるのではないか、という発想から生まれた。感情を数値で表すことで、例えば行動履歴などの外面的なライフログに加えて、内面的なライフログを蓄積することも可能になると考えられる。また「脈音~MyacNe」は、脈波に応じてリアルタイムに変化する音楽をコンセプトに開発。音楽と組み合わせることで、脈波センサーがより身近な存在として生活に取り入れられ、日常的に活用されるという近未来の姿をイメージしている。なお、両アプリケーションの企画構成はISIDの親会社である電通の協力を得て実施した。
3者は今後も、脈波センサーをはじめとした各種センサーの活用ニーズの掘り起こしとアイデアの具現化、そして実用化に向けて、研究開発に取り組んでいく。