アメリカンフットボール部員による薬物事件で3人が逮捕、1人が書類送検され、法人としての日本大学のガバナンス、コンプライアンスの欠如が指摘される中、日本大学学生記者が11日「根深い組織風土を変えるには学生が積極的に大学運営に関わっていく仕組みが必要だ」と学生の大学運営への関与と関与できる制度つくりを提案した。またスポーツ競技部管理の実効性をあげるのに全部員へのドーピング抜き打ち検査も有効と提案した。
学生記者らは日大の「ムラ」的組織風土を改革するためには(1)学生代表が理事会や評議員会に出席して意見を述べる仕組みを構築する(2)執行部が本部を飛び出し、各学部でタウンミーティングのように学部生と対話をする機会をつくる(3)学生も本部も対等に話し合いながら意思決定に取組める仕組みが不可欠と提案。
また競技スポーツ部への管理体制に実効性を持たせるため(1)学生生活の管理体制に実効性を持たせるべきで、寮の規模を縮小し、管理の目を行き届かせる(2)1競技部・1寮とし、部員の多い競技部は複数寮にする(3)全部員へのドーピング抜き打ち検査も有効としている。
学生記者は8月5日に逮捕、起訴された被告学生が12月1日の初公判で「寮内において10数人による違法薬物の使用や被告自身は高校時代から使用していたと供述した。1競技者としての自覚に欠く行動に疑問と憤りを覚える」とする一方「先輩の誘いを断り切れずに使用してしまった学生もいるだろう。寮内や部内で安心して相談できる環境はあったのか」とも提起。
大学改革で大学側が提示している「日本大学競技スポーツセンター(仮称)」構想について「競技スポーツ部と本質的な違いは見えてこない。ただの名称変更にすぎない」と実効性の伴う中身になるのか、構想の「見える化」を求めている。(編集担当:森高龍二)