今月4日から8日まで幕張メッセにて開催されていた、最先端IT・エレクトロニクスの国際見本市「シーテックジャパン2011」。今年の総来場者数は172,137名と昨年より若干少なかったものの、盛況のうちに幕を閉じた。
次世代エネルギー創造技術などエコに関連する展示が多かった今回のシーテックだが、最新のスマートフォンやタブレットPC、さらに3Dに加え、新たなディスプレイとして話題となっている4K(水平画素数3820~4096)などの映像機器も多くの人々の関心を集めていた。
その中でも、人気だったのが村田製作所のステージ。ムラタのDNAと題して、ワイアレスセンサーネットワークの進化を発表した同社のステージでは、ムラタの技術PRロボットとしてすっかり有名になった自転車型ロボット「ムラタセイサク君」の倒立振子制御技術を応用して開発された電動歩行アシストカーや、手に持つだけで脈拍が測れる「バイタルサインセンサー」などが紹介された。そして最後には、毎年恒例となっている「ムラタセイサク君」によるデモンストレーションも行われ、カーブになった細い坂道をジャイロセンサーで車体の傾きを検知し、自らでバランスをとりながら上っていくロボットの様子に、観客から大きな拍手がわき起こっていた。
また、富士通のブースに展示された世界一のスーパーコンピュター「京」や、NECのブースで展示されていた小惑星探査機「はやぶさ」に搭載されたイオンエンジンの実物大模型など、今年の大きなトピックスの裏側にある高い技術も実際に目にすることができた。
東日本大震災の影響による大きな打撃、中国や韓国など東アジアの国々の技術的成長など、日本経済を取り巻く環境は決して順風とは言えない。しかし、今回のシーテックでは、改めて日本企業の「技術水準の高さ」と「底力」を感じることができた。