石破茂総理は10月31日開いたGX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議で「エネルギー基本計画」の案を年内に取りまとめるよう関係閣僚に指示した。計画は年度内に決定する。
エネルギー基本計画を巡っては日本経済団体はじめ電力業界でつくる電事連などが現行の基本計画に記載されている『可能な限り原発依存度を低減する』との文言を削除するよう求めている。東電福島第一原発事故を踏まえたこの文言が、政府の案に継続されるのかどうかは大きい意味を持っている。
経団連はこの文言が原発推進のネックになっているとの考えから「現行の文言を改め『再生可能エネルギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用する』との方針を明記すべき」とエネルギー基本計画における原発の位置づけと原発政策の方向性を大きく転換させ、原発新増設など推進拡大を狙う文言に変えたい意向。
また原発推進に欠かせない「高レベル放射性廃棄物の最終処分場問題」については「現世代が責任を持って処分の道筋をつける必要がある。地層処分実現に向けた第1段階として北海道寿都町、神恵内村および佐賀県玄海町において文献調査が行われていることの意義は大きい」などとし「文献調査を受け入れる自治体がさらに拡大するよう、情報提供を含む理解醸成へのさらなる取組みを進めることが必要」と政府に求めている。(編集担当:森高龍二)