ロームグループのラピスセミコンダクタが、オリジナル8ビットローパワーマイクロコントローラに搭載のCPUコア"U8 Core"に対応したプログラム開発ツール「Dr.U8ICE」の開発に成功したと発表した。
近年、プログラム開発ツールの主流となっているのは、プログラムメモリとしてフラッシュROMを搭載しプログラムデバッグ機能が内蔵されたマイクロコントローラを利用するオンチップデバッグエミュレータ。これは、基板上にマイクロコントローラを実装した状態で、プログラムのデバッグを行うことのできる装置という。
しかし、オンチップデバッグエミュレータが使用できないマスクROM搭載品や、実デバイスが存在しないカスタム製品の開発初期段階においては、マイクロコントローラと同じ動作をするフル機能エミュレータを使用しプログラム開発を行う。一方、フル機能エミュレータはオンチップデバッグエミュレータには無い、さまざまなプログラムデバッグ機能を備えているためデバッグ効率を上げられる反面、導入コストは増大し、これが問題となっていた。
そんな中、ロームグループのラピスセミコンダクタが、こうした課題を克服するため、オリジナル8ビットローパワーマイクロコントローラに搭載のCPUコア”U8 Core”に対応したプログラム開発ツール「Dr.U8ICE」の開発に成功したと発表した。
「Dr.U8ICE」は、”U8 Core”チップとアナログチップを新規に開発し搭載。タイマ、UART等のデジタル回路を実装する、書き換え可能なロジックデバイスであるFPGAと組み合わせることで、既存のラピスセミコンダクタ製フル機能エミュレータに比べ大きさ1/4と小型化に成功している。また、従来機能に加え、トレース開始トリガの条件設定やプログラムの実行を停止させることなく全RAM領域のデータ変化を確認できるリアルタイムRAMモニタ機能を追加し、プログラム開発の効率を向上。LCDの端子状態をリアルタイムでモニタしPC上にイメージしたLCDパネルを表示させるリアルタイムLCDモニタを搭載、LCDパネル未入手段階からターゲットシステムを用いたLCD制御プログラム評価およびシステム検証を可能にした。さらにラピスセミコンダクタ製IDEU8統合化開発環境と組み合わせることで、”U8 Core”を搭載したマイクロコントローラのプログラム開発に最適な環境も構築されることとなる。既に、ML610Q439対応品が7月より提供開始されており、今後「ML610400/ML610300シリーズ」に順次対応していくという。
尚、ラピスセミコンダクタは、10月1日付けで「OKIセミコンダクタ」から社名を変更。今後も、ロームグループの一員として、LSIを主体に開発・製造し、業界を牽引していく方針だ。