放送インフラの発展とともに、白黒からカラー、アナログからデジタル、ブラウン管から液晶へとテレビは進化し続けてきた。そして地上デジタル放送への移行により、本格的なデジタル放送の普及が始まっている。液晶テレビは、高精細化と大画面化によりデジタル映像の普及を担ってきたが、さらに奥行き感や質感など新たな映像空間の表現を追求することで、テレビの楽しさがより一層広がり、新しいデジタル映像文化の創出が期待されている。
そのような中、I3(アイキューブド)研究所とシャープは、フルハイビジョン信号の4倍の高精細な解像度(3,840×2,160画素)をもつ、次世代の「ICC 4K 液晶テレビ」を試作、実用化に向け共同開発を推進する。
「ICC 4K 液晶テレビ」では、I3研究所の光のクリエーション技術であるICCと、シャープがAQUOSで培った大画面・高精細液晶技術を統合。単なる映像信号処理の高画質化だけでなく、パネル制御技術を組合せることで、人間が自然の景色や被写体を光の刺激として脳で理解する「認知」の過程を、映像による光の刺激として再現している。さらに遠近感のある風景や人物の立体感、質感などを自然界に近い状態で画面上に表示し、新たな映像体験を視聴者に提供するという。
今後、両社は大画面・高精細な次世代液晶テレビの実用化に向け、互いの技術を統合、新しいデジタル映像の市場創出に向け、共同で推進する。