「美容に関心があるのは女性だけ」という考え方は、もう古い。性別や年齢に関わらず、いつまでも若々しくあることは、QOLの向上にもつながり、ビジネスにおいても有利に働く。中でも肌の老化は最も関心の高いポイントの一つだ。年を重ねるごとに肌に現れるシワやたるみ、シミやくすみといった老化の兆候は、避けられないものだが、正しい知識とケア方法を知ることで、そのプロセスを遅らせ、美しい肌を保つこともできる。
肌の老化を引き起こす要因は、内的なものと外的なものに分けられる。内的要因としては、遺伝やホルモンの変化などがあり、外的要因は紫外線や環境汚染、生活習慣などがある。
まず、年齢とともに、肌の弾力のもととなるコラーゲンとエラスチンが減少し、シワやたるみが目立つようになるとともに、肌細胞の再生(=ターンオーバー)速度が低下してしまう。肌がくすみやすくなるのも、これが原因だ。また、肌本来の保湿力も低下して乾燥しやすくなり、潤いを保つのが難しくなってしまう。
さらには、肌の老化を促進する最大の要因の一つである紫外線、食生活の乱れ、睡眠の質の低下や運動不足などが加わり、保湿などの日々のエイジングケアを怠っていると、肌の老化がどんどん進んでしまうことにもなりかねない。
そんな中、株式会社山田養蜂場の自社研究機関である、山田養蜂場グループ 美容科学研究所が、近畿大学薬学総合研究所の森山博由准教授の研究グループとの共同研究において、ローヤルゼリーが表皮幹細胞を活性化して、肌の再生や老化抑制に貢献する可能性を明らかにしたことを発表し、美容業界でも話題となっている。本成果は、2024年12月に発表され、日本薬学会が発行する査読付き医学雑誌「Biological and Pharmaceutical Bulletin」にも論文が掲載されている。
今回の研究では、「表皮細胞の活性化と肌の再生」と「角化細胞の老化抑制」について、⇒トルツメ三次元表皮モデルを用いてローヤルゼリーの有無による差を調べたところ、ローヤルゼリーが表皮幹細胞を活性化して表皮の厚みを向上させた。さらに、細胞老化を抑制することで、組織の老化状態を改善する可能性についても示唆されたという。
美容に関心の高い人たちの間では、ローヤルゼリーや蜂蜜などミツバチ産品に高い美容効果やエイジングケア効果が期待できることは知られており、近年では山田養蜂場をはじめとする、各メーカーがそれらを使った商品を多数発売して、人気を獲得している。
しかも、今回のように古くから伝承的に用いられ続け、かつ安全性の高い素材の持つ化学的なメカニズムを、最先端の研究成果として発表している。今後の研究にも大いに期待したい。(編集担当:藤原伊織)