ISD条項に合意しないなど約束違えぬ 総理

2013年03月04日 22:32

 安倍晋三総理は4日の衆議院本会議でTPP交渉参加について「自由な貿易環境は日本にとってプラスになる」との基本的な立ち位置を示したうえで「同時に、自民党が掲げた、聖域なき関税撤廃が前提である限りTPP交渉参加には反対するとの公約や、ほかにも、自民党の総合政策集に掲げた5つの判断基準も含め、われわれが選挙で国民と約束したことは違えてはならないと考えている」とTPP交渉参加においては、「これ(これらの約束を違えないこと)を踏まえ、国益にかなう最善の道を求める」と断言した。

 自民党の小池百合子議員が日米首脳会談でのTPPに特化した日米共同声明をとりあげて「聖域なき関税撤廃が前提ではないと文書形式でも確認されたところであり、総理は帰国後、TPP交渉に参加するかどうか、判断の時期についてはお任せいただきたいとしたが、総理には国益にかなう最善の道を堂々と歩んで頂きたい」と述べたことに答えた。

 自民党は先の総選挙で総合政策集において、聖域なき関税撤廃を前提とする限りTPP交渉参加には反対するとしたほか、(1)自由貿易の理念に反する自動車などの工業製品の数値目標は受け入れない(2)国民皆保険制度を守る(3)食の安全安心の基準を守る(4)国の主権を損なうようなISD条項は合意しない(5)政府調達・金融サービスなどはわが国の特性を踏まえることを公約に掲げた。

 安倍総理は自民党総裁としてだけでなく、事実上、総理としても、これら5点に照らしてTPPに対応していくことを国会の場で約したことになる。(編集担当:森高龍二)