TPP交渉参加について、菅義偉官房長官は「そんなに長引かせる必要はないと思う」と24日のNHK番組で語った。政府としての判断を早く示したうえで、政府の情報を国民に開示し、説明していくことが大事だとの考えを述べた。
安倍晋三総理の日米首脳会談の結果を受けて語ったもので、菅官房長官は「日米首脳会談で日米関係を再構築する第一歩を踏み出せたと思っている」とした。
TPP交渉参加について、安部総理は首脳会談後の記者会見で「聖域なき関税撤廃を前提とするものでないことが確認できた」と明言し、「帰国後、自民党、公明党に説明し、一任を取り付けたうえで、政府の専権事項として判断する」と語った。
これを受けたもので、菅官房長官は25日に安倍総理から自民党役員に結果報告し、公明党の山口代表と安倍総理との会談などTPP交渉参加に向けて動き出す旨を語った。
自民党の中にも交渉参加に反対する意見があり、党内がまとまるのかとの投げかけには「全く問題ないと思う。党の皆さんに理解頂ける」と即答した。菅官房長官は「聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉参加しないということを選挙でも国民の皆さんに約束してきた。前提としないことが確認できたわけなので問題ないと思う」と楽観視した。
国会では農業を中心とした議論が行われているが、国民皆保険制度を守ること、食の安全安心の基準をまもること、ISD(投資家対国家間の紛争解決)条項は合意しないなど他にも重要案件が横たわっているとして、拙速に結論を出す動きを懸念する声や政府は判断を示してから説明するのではなく、判断を示す前に情報を開示し、国民に判断材料を提供していくべきとの声は強い。これらにどう答えていくのか、安倍政権の姿勢が注目される。(編集担当:森高龍二)