融和に努めた結果「石破らしさ失うことに」総理

2025年09月09日 06:45

 石破茂総理(総裁)は自民党総裁を辞すると表明した7日の記者会見で道半ばでの挫折に無念を滲ませた。融和に努めた結果、石破らしさを失うことになった、と総裁・総理になった当初の思いを強力に推し進めることができなかった旨を明かした。

 石破総理は「石破らしくやってくれという強い御期待で総裁になったと思っている」としたうえで「少数与党ということで、あるいは党内において大きな勢力を持っているわけでもございません。そして、本当に多くの方々に配意をしながら、融和に努めながら、誠心誠意努めてきたことが、結果として『らしさ』を失うことになったという、一種の、何と言ったらいいのでしょう、どうしたらよかったのかなという思いはございます」と心中を語った。

 また8日に党則に基づく総裁選前倒しに関する国会議員らの意思表示が行われるのを前に、自ら総裁の職を辞すことにした背景について、石破氏は「政治家同士の話をぺらぺらしゃべるような、そのようなことは断じていたしません。しかし副総裁から党の亀裂は避けるべきであると、党の分断なぞということはあってはならないということは歴代総理・総裁経験者の皆様方とお話をしたときから、非常に強く、副総裁がおっしゃっておったところでございます」と語った。

 そして「多くの方々から御意見を承る中にあって、やはり私どもの政権というのは菅元総理のいろいろなお知恵、お力によるところが大きかったというふうに考えております」と述べ、最後には党分裂を招いてはならないとの考えが優先したことを伺わせた。(編集担当:森高龍二)