石破氏自民総裁辞職を発表 自民分裂回避優先か

2025年09月08日 07:22

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石破茂総理は7日、「自民党総裁の職を辞す」と記者会見で発表した

 石破茂総理は7日、「自民党総裁の職を辞す」と記者会見で発表した。トランプ関税を巡る交渉に「一区切りついた」と石破総理にとって「しかるべきタイミング」での辞職表明なのだというが、行政トップの総理が、このタイミングで与党・自民の総裁を辞すという判断は「国民」より「自民分裂回避」を優先したとしか判断できず、旧安倍派など裏金議員や党内保守・タカ派勢力に押し切られたとみるべきだろう。

 裏金議員やタカ派議員は総裁選前倒しを要求し、8日には自民所属の国会議員で前倒しを求める者は党本部に署名捺印し書面で提出、党はこれを公表することになっていた。また都道府県連も機関決定したうえで、前倒しを求める決定をした場合には代表が書面で提出することになっていた。

 事実上、時の総理への辞職要求にもなることから前倒し議員の名前公表には自民党員のみでなく、与野党超えて関心が集まっていた。前倒し要求に「裏金議員」が何人入っているのか、旧統一教会とかかわりのあった議員や右派系議員が何人いるのかが白昼に曝け出される機会と期待される部分もあったが、石破総理は党分裂につながると判断したようだ。

 石破総理は「総裁選の手続きを実施するよう、森山裕幹事長に伝えた」と会見冒頭に明らかにした。また「新しい総裁が選ばれるまでの間、国民の皆様に対し、果たすべき責任を着実に果たし、新しい総裁・総理にその先を託したい」と述べた。

各種マスコミの世論調査で自民党への支持が回復しない中で内閣支持率が急回復した現象について、石破総理は記者団の問いに「党内でいろんな争いをするより、きちんと国家・国民に対して仕事をしてくれというような強い意思の表れだと思う」と答えるとともに「石破辞めるな、との動きは、ありがたいことでございました」と話した。(編集担当:森高龍二)