自衛隊がクマ被害で自治体活動の後方支援へ

2025年10月30日 06:28

 防衛省はクマによる人的被害を受け秋田県から要請された自衛隊部隊の派遣について応じる考えで、どのような支援協力ができるのか県と協議を始めた。

 クマ捕獲の箱罠設置や猟友会が駆除したクマの遺体輸送などの支援にとどめる方針。28日に東北方面総監部等の部隊から約10名を派遣した。被害の現状を踏まえて任務遂行に支障のない範囲で最大限協力する、としている。

 自衛隊部隊の派遣には自衛隊法100条に基づく行動になるが、これには過去にエゾシカの輸送実績があり、駆除されたクマの搬送はできても、「駆除規程」はない。野生動物を銃器で自衛隊が駆除することは想定していない。

 小泉進次郎防衛大臣は28日の記者会見で「知事からは駆除を求めるのではなくて、駆除の周りの後方支援的なことに対して求められていると承知している」とした。

 一方で、小泉大臣は「秋田県だけではなく被害者が100名を超えている。他の行政機関ではもう対応できないといった状況の中で、地元の知事から自衛隊に対する緊急要請が上がってきた。自衛隊が対応すべき一つの状況にはなっていると思う」との認識を示した。(編集担当:森高龍二)