一般会計122.3兆円。手取り増と負担増が交錯する2026年度予算

2026年03月14日 18:36

国会議事堂20

基礎控除引き上げで「手取り増」へ。会社員が新年度前に知るべき減税と増税リスク

今回のニュースのポイント

・一般会計は過去最大122.3兆円: 社会保障費(39.1兆円)と防衛費(9.0兆円)が過去最高を更新。高市政権は「責任ある積極財政」を掲げ、成長投資と負担軽減の両立を図る姿勢を鮮明にしています。

・基礎控除拡大で「手取り増」を後押し: 2026年度税制改正では、基礎控除や給与所得控除の引き上げにより、所得税がかかり始める実効的な年収の閾値(しきいち)がおおむね178万円程度へ引き上がる見通しです。

・中間層に数万円規模の減税効果: 年収300万〜600万円前後の中間層では、年間でおおむね数万円(3万〜6万円程度)の所得税負担が軽くなるとの試算もあり、物価高対策としての側面も持っています。

 2026年度予算案は一般会計122兆3,092億円と過去最大の規模で、3月13日に衆院を通過しました。予算は年度内に成立する見通しで、高市政権による成長投資に加え、生活実感との乖離が指摘される現役世代の「手取りを増やす」施策が柱となっています。

 歳出の約3分の1を占める社会保障費は39.1兆円と過去最高を更新し、少子化対策が重点化されました。防衛費は約9.0兆円と、GDP比2%水準をおおむね達成する規模に達しています。一方で、金利上昇に伴う国債費(31.3兆円)が財政を圧迫するなか、政府は物価高への対応として、所得税・住民税の負担軽減を並行して進めています。

 会社員の給与明細に関わる税制の見直しも盛り込まれています。2026年度税制改正案では、基礎控除が58万円から62万円へ、給与所得控除の最低額が65万円から69万円へとそれぞれ引き上げられる方向です。これにより、所得税がかかり始める実効的な年収の閾値がおおむね178万円程度へ引き上がる見通しです。この変更を受け、年収300万〜600万円前後の中間層では、年間でおおむね数万円(3万〜6万円程度)の所得税負担が軽くなるとの試算もあります。

 企業向けには賃上げ税制や投資減税が継続・強化される見通しで、ベースアップや福利厚生の拡充を公的に支援する体制が整えられています。

 ただし、中長期的な視点も重要です。子ども・子育て支援の拡充が進む一方、2027年以降、防衛費財源として所得税への付加税導入など増税策の実施が予定されており、その具体的な内容を巡る議論も続いています。「当面の減税による手取り増」を享受しつつ、将来の負担増リスクを意識した生活設計が求められます。新年度を前に、控除拡大が自身の収支にどう影響するか、またiDeCoや医療費控除などの自主的な控除をどう組み合わせるか、給与明細や税制の動向を精査することが、新年度に向けた重要なテーマとなっています。(編集担当:エコノミックニュース編集部)