4月から変わる税と社会保障。新年度前に見直したい家計のポイント

2026年03月14日 18:41

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基礎控除引き上げや支援金制度がスタート。4月からの「手取り」と「資産形成」の確認を

今回のニュースのポイント

・税制改正で「手取り」に変化: 基礎控除(58万円→62万円)や給与所得控除(最低65→69万円)の引き上げにより、多くの給与所得者で課税所得が圧縮されます。物価上昇に合わせた控除額の定期見直しも導入され、実質的な負担軽減が図られる設計となっています。

・「子ども・子育て支援金制度」が始動: 4月から新たにスタートする同制度により、児童手当の高校生までの拡大や保育支援が強化されます。一方で、公的医療保険料に上乗せされる形で拠出負担も発生するため、給付と負担の両面を確認する必要があります。

・資産形成の「設定」見直し時: キャッシュレス決済比率が42.8%に達し、家計の「見える化」が容易になっています。2,286兆円に及ぶ家計資産を背景に、新NISAやiDeCo等の掛金設定を新年度に合わせて最適化することが重要になります。

 4月の新年度入りとともに、日本の税・社会保障、そして支払いの制度改正が始まります。2026年度は、過去最大の122.3兆円規模の予算執行が始まると同時に、現役世代の家計に直接関わる制度改正がセットでスタートするため、4月を前に一度「家計の棚卸し」を行う意義があります。

 まず注目すべきは、所得税負担の変化です。今回の税制改正では、個人の基礎控除が58万円から62万円へ、給与所得控除の最低額が65万円から69万円へとそれぞれ引き上げられます。これらは給与明細上の課税所得を自動的に圧縮する設計となっており、名目賃金の上昇に対して税負担が先行して重くなりすぎないよう調整が図られています。

 社会保障面では、新しい「子ども・子育て支援金制度」がスタートします。これは企業や個人が拠出する負担を財源に、児童手当の対象拡大(高校生まで)や、共働き世帯への保育・教育支援を強化するものです。家計にとっては、将来に向けた給付が手厚くなる一方で、保険料に上乗せされる拠出負担という形で月々の収支に影響が出てきます。

 また、インフラとしての「支払い」も進化しています。42.8%(141兆円)に達したキャッシュレス決済環境を背景に、金融機関や家計管理アプリの連携がさらに強化されています。家計の金融資産が2,286兆円と過去最高圏にあるなか、新NISAやiDeCo、企業型DCなどの税優遇制度をどの程度活用するかで、資産形成の姿が変わりやすい局面を迎えています。

 制度は4月から自動的に始まりますが、自身の家計にどう波及するかを把握しておくことが重要です。(1)控除拡大による手取りの変化、(2)子育て関連の給付と負担、(3)運用制度の掛金設定、(4)固定費のキャッシュレス決済による「見える化」。これら4つのポイントを新年度前に整理しておくことが、収入を効率的に可処分所得と将来の資産へ変えていく一歩となります。