三菱商事、チリ新規開発中の鉱山向け海水淡水化事業に参画

2011年08月11日 11:00

 チリ北部の一部では近年、降雪量が減少しており、地下水の不足が深刻化している。同地域において地下水は、産業用水だけでなく、生活用水や農業用水としても利用されているため、新規に鉱山を開発する際には、地下水ではない代替水源を確保することが環境許認可の一部要件となっており、海水淡水化の需要が急速に高まっている。

 そんな中、三菱商事は9日、チリの鉱山業・製鉄業コングロマリットである「CAP S.A(以下:CAP)と共同で、日本企業として初めて鉱山向け海水淡水化事業に参画することを発表した。同社とCAPが共同で運営する「Cleanairtech Sudamerica S.A(以下:CAT)」を通じ、チリのアタカマ砂漠の南にあるコピアポ地区の海岸に海水淡水化プラントを新設。同プラントでつくった淡水を、パイプラインを通じて、約80km離れた新規開発中のセロネグロノルテ鉄鉱山に、2013年より約20年間にわたって供給する計画で、事業資金は約1億8000万ドル(約150億円)になる。

 三菱商事は、2010年7月に発表した中期経営計画において、地球環境事業を全社戦略分野と位置づけており、現在、地球環境事業開発部門にて水事業を積極的に推進している。