親子の良好なコミュニケーションが次世代を担う子供育成の原点

2011年08月08日 11:00

 夏休みも中盤に入り、大人の夏季休暇を利用し、遠方への家族旅行や海や川遊び、近郊のプールなどへと出掛けた、またはこれから予定している家族も多いだろう。1年を通して夏は何かと遊びのイベントも目白押しで、また、小学生になると自由研究などの課題をあり、子どもと共に出かけたり、考えたりする機会が多くなる季節でもある。親子のコミュニケーションをはかる絶好の時期といえるだろう。

 ここ数年は、夏・冬休みなどの大型休日を利用し、各企業が親子や子供のコミュニケーションをサポートするイベントを開催するケースが増えており、これが好評を得ているようだ。

 キヤノンマーケティングジャパンは親子で参加できる夏季限定イベント「キヤノンキッズパーク 2011」を7月21日から8月31日まで、未就学児および小学生の親子を対象に全国4か所で開催。「カメラのレンズをつくってみよう!」といった工作教室、デジタル一眼レフの撮影体験などを実施している。ホンダは10年前から行っている「見て」「遊んで」「体感できる」をコンセプトとしたenjoy Honda活動の一環として、8月1日から4日に「2011 EnjoyHonda 子どもサマーキャンプ in もてぎ」を開催。今回は被災地の小学生を対象に110人を招待し、自然学習を行ったという。

 また、トヨタは親子で協力してモノを作り上げる喜びを体験してもらおうと8月7日に、同社施設のトヨタ会館にて夏休みイベント「トヨタ会館で遊ぶ夏休み2011」を開催。夏休み中の子供達とその家族、トヨタ会館来館者を対象に、ソープボックスのミニカーを組み立て、専用コースで走行タイムを競ったり、オリジナルキーホルダーを製作する工作教室、ミニカーを飾り付ける「デコカー製作体験」などを実施する。

 ヤマハ発動機は、約5年前から夏休みを中心に工場見学を実施。ここ数年モノづくり体験と合わせたイベントを企画し、同社のコミュニケーションプラザにて行っている。本年度も本社工場見学と楽しい実験・実習中心のエンジン分解組立講座、モーター講座、ボートふしぎ発見講座を組み合わせた特別企画イベントを7月後半から8月にかけた10日間で開催。保護者も一緒に参加でき、参加費無料だという。「元々、工場見学を始めたきっかけは、子供たちがモノ作りから離れて行っていることへの危機感を感じたことでした。製造業を営む企業として、モノづくりの面白さを次世代へ継承していかなければならないと感じ、当初は学校関係にダイレクトメールなどを送り、社会見学の一環に利用してもらうことからはじめました」と担当者。ここ数年はホームページなどを中心に夏休みの親子イベントとして告知を行い、男女問わず多くの子供達が参加しているという。

 一時、コミュニケーション能力が欠如している若者が増えていると話題になっていたが、まずは親子間でのコミュニケーションを幼少期にしっかり構築することが重要だと考えられる。次世代の日本を担う子供を育成するためにも、こうした企業の姿勢は、新たなパワーを生み出す源になるかもしれない。